坂 村 真 民  の  世  界

よ う こ そ タ ン ポ ポ 堂 ヘ(最終更新2002.3.23)

   (双海町閏住地区の菜の花 ・2002年2月10日撮影)

ようこそ、坂村真民の世界へ、ようこそタンポポ堂へ、真民さんの詩の魅力と真民さんに関する情報をあなたに届けます。

1.詩 国 4 月 号 2. タ ン ポ ポ 堂 か ら 
3.朴庵(ほうあん)例会のご案内 4.坂村真民全著作一覧 
5.詩国バックナンバー 6.タンポポ堂ライブラリー(菜の花)
7.作成者からのご挨拶 8.坂村真民関連HPリンク集
9.メッセージボード  

     あなたは  人目の来訪者です。 


坂村真民さんの略歴

明治42年1月6日  熊本県に生まれる。8歳の時に、父親

の急逝によりどん底の生活に落ちる。5人兄弟の長男とし

て母親を助け、幾多の困難と立ち向かう。昭和6年 神宮皇

学館(現皇學館大學)を卒業。25歳の時、朝鮮にて教職につ

き、36歳全州師範学校勤務中に終戦を迎える。昭和21年

から愛媛県で高校の国語教師を勤め、65歳で退職、以後詩

作に専念する。始めは短歌を志し、昭和12年『与謝野寛

評伝』を著している。四国に移住後,一遍上人の信仰に随

順して仏教精神を基調とした詩の創作に転じる。昭和37年、

月刊詩誌「詩国」を創刊、以後毎月、一回も休むことなく発

刊し1200部を無償で配布している。また詩の愛好者によっ

て建てられる真民詩碑は日本全国47都道府県に分布し、

その数は現在,海外の20基と合わせると約636基となる。

主な著書は、4.「坂村真民全著作一覧」に載せてます。

(南股小学校の除幕式にて(12.9.16撮影)

                                                                


1.詩 国 4 月 号 第 四 十 一 巻 4 月 号
             
念の火柱

母は
遺された
五人の子を
育てることを
念じた

わたしは
詩を作り
詩国賦算を
念ずる
それでよいのだ

ああ
親子二代の
念の火柱よ

 光るもの

川にいる
ほたる

海にいる
ほたるいか

自分を照らして
生きているものたちよ     
わたしは思う
これら小さいものたちのことを          
日本は小さい国
資源もない国
でも天の使命を持って
生まれた国だ
このことを知り
小さい光でよいのだ
世界の人から
尊敬され
喜ばれる国に
しようではないか 
                         

 まなざし

まなざしを
変えない限り
戦争は起こり
平和は来ない

憎しみの心を
捨てない限り
争いは絶えなく
幸せは来ない

無差別平等の
宇宙のまなざしを持つ
新しい人間の
出現を祈ろう


 二人のひと

わたしの眼と心を
開いてくれた
二人のひと

絵では
田中一村
書では
中川一政

このお二人は
かたいわたしの
眼と心とを
しっかと開いてくださった人
ありがたし
ありがたし

でもこの世で会えなかったので
あの世へ行って会うのが
楽しみだ
ああ
お二人とも
独立独歩の人だった


 妻に与うるうた

十八歳で
嫁に来て
かけた苦労の
数々を
にっこリ笑って
聞くひとよ

悲しいことも
嬉しいことも
共に分けあい
生きて来た
六十七年の
人生よ

大きな病いに
倒れても
明るい顔の
愛の目よ

ああ
わたしにできるのは
ただ一つ
祈りに
祈る
明けの星

守らせ給え
安らかに
この世の命
清らかに


 一 手

凡才の者には
長生きの
一手しかない
体を大事にして
一意専心
詩に生きるのだ

 九十歳を越えて

末生以前から
わたしを守り導き給う
お方があった
ああ
九十歳を越えて
それがよくわかる


 真 民 流

水野南北より
長く生きているので
あとは真民流で
生きてゆかねばならぬ
しっかりしろ
しっかりしろ
しんみん


 漢字と日本語

梅は
産めである
海は
産むである
そして
どちらにも
母という字が
入っている
わたしの好きな字である
            

 啓  示

妻の病気も
わたしの足の痛みも
すべてが
神仏の啓示だ
だから愚痴など
決してロにしてはならぬ
善処せよ
明るく生きよ


 桜花迎春

日本の乱れが
桜に伝わり
富士山頂に鎮座まします
木花開耶媛(このはなさくやひめ)に 
 御心配かけているのでは
なかろうか
桜が咲いたら
まず一輪を
口に噛み
体を浄化して
喜びを伝えよう
ああ
九十三歳で迎える
桜の花よ


 桜 賛 歌

咲いた
咲いた
桜が
咲いた
宇宙和楽の
桜が
咲いた

富士の高嶺(たかね)に
鎮まり居ます
媛を称(たた)えて
乾杯しよう
日本の栄えを
民の奮起(ふんき)を


 暗  雲

暗雲立ちこもる
今の日本よ
学歴や
肩書きは
立派だが
心は少しも進歩しない人間たちで
いっぱいになった
こんなことは決して
してはならないと
かつては市井の人たちでも
わかったことが
今はわからなくなり
平気で悪いことをする人間が
多くなった
明治、大正、昭和、平成と
生きて来て
わたしはただただ
嘆くのみ
  祈り
清くなれ
正しくなれ
日本の民よ

後    記     

 
                      1 ス タ ー ト

 四月はスタートの月である。老いびとは老いびとなりにスタートしなくてはならぬ。

前進なくて進歩はない。若い人は叱咤(Lつた)しなくても、前向きになるだろうが、わたしなど、やはり体と心とが

バラバラになり、努力しないと、なかなか奮起できなくなる。でも大自然は生命に溢れ、生きる喜びを与えてくれる。

私は俳句はやらないが、歳時記を見ていると、日本の国はいいなあと思う。

私は先月号に「豊かな孤独」という詩を載せているが、この豊かさの中で、何が孤独かと尋ねられたら、

今の日本の在り方である。豊かな国を豊かにしきれない、戦後の人たちの在り方である。四月はスタートの月

だと言ったけれど、スタートできない人たちの苦悩を思うと、孤独の思いが、私を包んでしまうのである。

歳時記を見ていると、四月が一番豊かである。わたしたち朴族の朴の花も、今年は温かいから、四月の末には

咲くだろう。年をとると、花や鳥たちに逢うのが、何よりの喜びであり、生きて居てよかったと思う。


                     2 復活と新生の本

 何の知らせもなく、流れ星のように消えてしまった、わたしの随筆集「念ずれば花ひらく」が、サンマーク出版社

の御尽力により、復活し、新生した。

 この随筆集は、わたしがまだ無名の頃、どこの出版社からも、出版してくれない時、出版して下さっただけに、

わたしの喜びが特別こもっているので、消え去ったのは淋しかった。しかしこのことのために、私は復活と新生

ということを体験した。

イエス・キリストは十字架にかけられて昇天されたが、復活されて、今日のキリスト教があり、新生という言葉も、

信仰によって生まれ変わり、新しい生活に入ることであり、この本の受難は、わたしに大きな恩恵を体験させて

くれたのであった。

 新装本は表紙も一新され、良い本となった。 書店にも出ているが、私の方に申し込まれたら、扉書きして送ります。

 1,800円十税。必ず随筆集「念ずれば花ひらく」と書いて下さい。


                      3 苦 難 の 時

 人間の真価が問われるのは、苦難の時である。いま日本は、最大の苦難に直面していると言っても過言ではない。

人間としてしてはならないことを、平気でやっている。善悪の判断がつかないのだから、恐ろしい時代である。

天が父なら、地は母である。今月号の詩に、梅と海について書いているが、母なる字を入れた中国の人の心を思う

たび、政治も教育も、何を主眼にしなければならないかを、切念するのである。
 
 いま日本は豊かになり過ぎた。豊かになり過ぎると、自分で働こうとしなくなる。 いま日本人は大地の母なる愛を

身につけようとせず、ただ良い大学を出るために、学校も親も狂奔(きょうほん)していると言っても過言ではない。

大地に額をつけて、わたしは叫ぶ、日本の再生を、復活を。


                         4 良 書 紹 介

 三月七日まことに良い日、鎌田定雄さんというお方が来訪され、著書r古城の声」という本を頂いた。

A5版七一七頁の大著である。お礼を申し開けると三頁の処に、わたしの詩「二度とない人生だから」の最初の詩が

掲載されており、びっくりした。お会いしたのは初めてだが、詩縁はすでに結ばれていたのである。

 古城とは松山城のことであり、その松山城を築いたのは、足立半右衛門重信であった。 わたしは敗戦によって

朝鮮から引き掲げ、縁あって四国に渡り、愛媛県に住むことになり、それも川が好きなことから、終(つい)の住家を

重信川のほとりに決め、御子孫の方とも詩縁を結ぷことができ、年に一度重信川の川祭りもする深いつながりを

持つようになった。 著者 鎌田定雄さんに心からお札を申しあげよう。

 定価 2,000円(税込)美本。御住所 〒791−1102 松山市来住町1476の10


                       5  前 月 号 よ り

一位、天の計らい。二位、妻の誕生日。 三位、母と子。 四位、気。五位、豊かな孤独でした。

 

 
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