坂 村 真  民  の  世  界

よ う こ そ タ ン ポ ポ 堂 ヘ(最終更新2002.5.20)

   (奄美大島・あやまる岬の田中一村碑・2002年4月28日撮影)

ようこそ、坂村真民の世界へ、ようこそタンポポ堂へ、真民さんの詩の魅力と真民さんに関する情報をあなたに届けます。

1.詩 国 6 月 号 2. タ ン ポ ポ 堂 か ら 
3.朴庵(ほうあん)例会のご案内 4.坂村真民全著作一覧 
5.詩国バックナンバー 6.タンポポ堂ライブラリー(奄美大島)
7.作成者からのご挨拶 8.坂村真民関連HPリンク集
9.メッセージボード  

     あなたは  人目の来訪者です。 


坂村真民さんの略歴

明治42年1月6日  熊本県に生まれる。8歳の時に、父親

の急逝によりどん底の生活に落ちる。5人兄弟の長男とし

て母親を助け、幾多の困難と立ち向かう。昭和6年 神宮皇

学館(現皇學館大學)を卒業。25歳の時、朝鮮にて教職につ

き、36歳全州師範学校勤務中に終戦を迎える。昭和21年

から愛媛県で高校の国語教師を勤め、65歳で退職、以後詩

作に専念する。始めは短歌を志し、昭和12年『与謝野寛

評伝』を著している。四国に移住後,一遍上人の信仰に随

順して仏教精神を基調とした詩の創作に転じる。昭和37年、

月刊詩誌「詩国」を創刊、以後毎月、一回も休むことなく発

刊し1200部を無償で配布している。また詩の愛好者によっ

て建てられる真民詩碑は日本全国47都道府県に分布し、

その数は現在,海外の20基と合わせると約636基となる。

主な著書は、4.「坂村真民全著作一覧」に載せてます。

(南股小学校の除幕式にて(12.9.16撮影)

                                                                


1.詩 国  6 月 号 第 四 十 一 巻 6 月 号
             
車 椅 子

車椅子が

一村さんと会う

霊的な機会を

作ってくれた

車椅子はわたしに

大きな転機を

与えてくれた

ああ

奄美へ導いた

ガイアの

車椅子よ

 ※ガイア

   ギリシア神話の大地の女神

  

 わたしを呼ぶ一村さん

まったく思いもかけない
奄美(あまみ)行きであった
これは一村さんが
わたしを呼んでいたのだ
そうとしか思えない
旅であった
念ずれば
花ひらく
旅ではなく
足の痛みのため
飛行機での旅など
一切できないと
決めていたからである
あの世で会おうと
決めていたのが
この世での会いに
なったことを
わたしは天地の神々に
感謝した
そして
その日が来た

 一村と真民

一村さんは
本州から
奄美に渡った
真民は
九州から
四国愛媛に渡った
イッソン
シンミン
二人とも
ンがついている
ンは
ア (阿)
ン (吽)
とつながる
天地合体の
霊音である
用中一村は
絵に
坂村真民は
詩に
命を託して
孤独の道を
行く者
ああ
奄美よ
二人を結ぷ
美しい島よ

 相寄る魂

このたびの奄美行きは
相寄る魂の
実現であった
まったく
そうとしか思えない
旅であった
絵描きの魂と
詩作りの魂とが
相呼び合い
奄美で
相結び合ったのだ

 最後の家

一村さんが亡くなった
四畳半の小屋
家はしまっていて
中を見ることはできなかったが
呼んだら
戸を開けて
出てこられるような
気がした

 木  魚

一村さんが
木魚を作っていたことを
知って以来
その木魚を見たい思いが
消えなかった
それが奄美に来て
実現した
ガラスのケース越しで
あったが
今まで見たことのない
良い作リの木魚であった
一村さんの絵が
他の人の絵と違うのは
こういうところから
きているのではないかと
木魚に会えたことが
何よりありがたく
嬉しかった

  

  

 奄   美

愛する
アカショウビンには
会えなかったが
一村さんの絵に出てくる
奄美の杜の逞しさは
わたしの体から
消えないであろう
東シナ海と
太平洋に
囲まれた
奄美よ
由中一村の絵と共に
光を放つ
島であれ

  牡  丹

今年は
大根島から
鉢作りの
牡丹が
三株届いた
こんなことは
始めてだったので
特別嬉しかった

ピンク

まことに
目出度い
年であった
生きていることの
ありがたさが
花を通して
しみじみ感じられ
争いの続く
人間たちのニュースばかりの
日日を
癒(い)やしてくれる
花たちに
お礼を言う
枯華微笑(ねんげみしょう)
花たちよ

  前  進

人生に
終わりはない
前進
前進
ギヤティ
ギヤティ
ハラギヤティ
ハラソウ
ギヤティの
一生であれ
 
※ 行け行け
  彼岸の世界まで行け(梵語)

  詩  魂

大宇宙       
大和楽
この
六字
十音の
真言を
丹田に入れて
詩魂とするのだ

  無  心

無心にして咲き
無心にして散る
花たちよ
ただ一筋に
詩を作って
九十三歳
今年の花々は
特に心に染みた

  花

しんみんさん
しんみんさんと
タンポポの
花が咲き
朴の
花が咲く
ああ
生きることの
ありがたさよ
うれしさよ

 脳血栓の妻へ

少しでもいいです
物が言え
食べることが
できますよう
栓をゆるめて下さいと祈る
朝夕である

後    記     


                     1 奄美行きは私を変えた

 奄美行きは全く思いもしなかったことである。一村さんの絵には心ひかれ、尊敬していたが、奄美まで行こうとは

思いもしなかっただけに、書き残しておきたいのである。特に足を病んで以来、すべての念を捨てたので、わたし

の念頭にはなかった。それが思わぬことから実現したのである。

 それはまったく天の配慮としか思えないことによって成就されたのである。つまり天が奄美に行ってこいと設定

されたのであると、私には思われ、車椅子の人となり、奄美に飛んだのであった。ここで天と言ったが、私を未生

以前から見守って下さっている大詩母さまが、設定され、奄美行きとなったのだと、私は思った。

 かつて私と妻と娘と三人でヨーロッパ旅行をした時、わたしはゲーテの家を訪ねたく、念じた。小さな旅でも、

それなりの念があった。ところがこんどの奄美行きは、もっと高い処で設定され、私と田中一村さんとを結びつ

けられたのだと思った。

 私を変えたと言うのは、そのことを言うのである。つまり次元が違っているのである。

 奄美に行こうではなく 奄美に行けとのことである。

 これは初めての体験であった。実にありがたい体験であった。

 車椅子は天の椅子だったのである。妻は車椅子のおかげで生きてきたが、自分が車椅子の人となり、車椅子

がどんなものであるかを知り、足の痛みがどんな意味を持つのであるかを知った。

 奄美は神の島である。霊の島である。一村さんが奄美に来たのも、霊の導きだったと思った。私を奄美に行か

せたのも、詩霊のおかげだと思った。

 田中一村の絵には、そうした霊が、絵を不朽のものにしているのだ。

 私は一白水星の生まれ、川や海は私の根源であり、命の帰りゆく処である。

 奄美という島の名も良い。

 ああ奄美に行って私は変った。これからの私を、私自身がしっかと見てゆかねばならぬ。


                  2 忘 れ 得 ぬ 人

 奄美に行って忘れ得ぬ人、西村康博さんのことを書さ、お礼としよう。

 西村さんは田中一村記念美術館の学芸員をなさっていられる方だが、一村さんの絵の独自性を本当に知って

いられる方だと、感じたからである。一村さんが一躍有名になって、いろいろの人が解説を書いているが、魂に

迫るようなものは少ない。そうした中にあって西村さんは、一村独自の魅力を、体に感じ取っていられる方だと

思った。一村絵画の神秘性を語ることのできる方である。ホテルまで迎えに来て下さり、開館前の時間を、一村

が写生した記念の場所など案内して下さる御真情に感謝した。帰る時も空港まで車で送って下さり、奄美という

処が、西村さんを通して更に一層忘れ得ぬ処となった。

 私は日本地図を広げながら、今まで殆ど無縁であった奄美を見、所縁の不思議を思うのである。

 最後になつたが、奄美行きで一番お世話になった西澤孝一さんに厚くお礼を申さねばならぬ。この人と一緒で

なかったら、奄美行きはできなかったからである。


                   3 良 書 紹 介

 東京都千代田区三崎町2118−2(株)リヨン社から、萩野貞樹氏著「みなさん これが美しい日本語ですよ」

という本が出版されました。古代から現代にいたるまでの日本文学書の中から、美しい日本の言葉を抜粋し、

解説した、とても良い本です。各家庭に一冊置いて、親は親で、子は子で、読み、声に出して日本語の美しさ

を感得してもらったら、日本に生まれたことが、幸せだったと思うでしょう。そんな本です。わたしも登場させて

もらっているので、紹介し、推奨します。定価1500円+税です。


                     4 前 月 号 か ら

 奄美行きは私を変えました。巻頭に「車椅子」の詩を載せましたが、天の力を借りる身になったからです。

一人でも多く、奄美に行って下さい。自然が生きています。

 一位 願い。二位 宇宙のなかの二人。三位 これでよいのであろうか。四位 八字十音。

 五位 九十三歳の春でした。しつかり生きてゆきましょう。


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